牛農家には、繁殖させて子牛まで育てる繁殖農家と子牛を買って出荷まで育てる肥育農家の2種類があります。
髙嶋牛は繁殖肥育一貫で、生まれた時から手塩にかけて大事に育てています。繁殖農家のように、子牛の段階で出荷のために太らせる必要もなく、子牛の時からゆっくりと時間をかけて肥育できるため、きめ細かく、質の良い脂が入った牛に育ちます。
美味しい和牛に育てるために、重要と言われる要素の一つが、牛に与える飼料。
髙嶋牛は牧草以外に、肥沃な関東平野で育った新鮮な野菜も食べさせています。コスト的なことを考えると一般的にはあまりないことですが、周辺の野菜農家さん達の協力のもと、僕たち人間が食べる野菜と遜色ない、新鮮で美味しい野菜を食べさせることができています。
また、特許を取得している乳酸菌発酵飼料を餌に混ぜて食べさせており、牛の腸内環境を良好にすることで、栄養を安定して吸収できるように飼育しています。
野菜農家さんからいただく野菜の多くは、傷物や出荷調整で廃棄される可能性のある野菜。絞り粕も同じく廃棄される物であり、それらを譲り受けることで、サスティナブルな世の中にも貢献しています。
髙嶋牛の生産者である私「髙嶋 英二」は、牛農家になる以前は東京でサラリーマンをしていました。先代の父が急死し素人の私が急遽、牛農家を継ぐこととなり一念発起して牛農家を始めました。
当時、ずぶの素人だった私は、牛農家にとって当然であったランク評価「A5＝美味しい」がしっくりきませんでした。だからこそ、高いランクの和牛を育てるのではなく、より美味しい牛を育てるにはどうすればいいか、それをシンプルに追求するようになりました。
素人だからこそ、既成概念に囚われず自分の理想を追い求めていけたのかも知れません。これからも常に改良を重ねて、食卓で皆さんに喜んでもらえる牛を育てていきたいと思います。
